vol.32 OBPから関西を盛り上げていく 未来の対話をする場所NEC Future Creation Hub KANSAI

2019年9月、NEC関西ビル(OBPキャッスルタワービル)2階に「NEC Future Creation Hub Kansai」がオープンしました。「共創」をコンセプトとしてオープンされたこの場所は、一体どのようなものなのでしょうか。OBP Styleでも取材しました。

「共創」をテーマに、テクノロジーとビジネスの融合を図る

「共創」をテーマに、テクノロジーとビジネスの融合を図る

取材に伺った日、NEC Future Creation Hub KANSAIがオープンしてから2ヶ月を過ぎようとしていましたが、早くも1,000名を越える来場者が訪れているとのこと。周囲の関心の高さが伺えます。

訪日外国人観光客の増加、今後に控えているワールドマスターズゲームズや大阪・関西万博など、今後より一層ホスピタリティを求められる関西。デジタルの活用でより安全で住みやすい環境にしていくにはどうしたら良いかを課題に、様々な場所で“共創”の取り組みが始まっています。
NECでもこの流れを受け、製品のショールームや顧客との商談を行うスペースとして使われてきたフロアを、共創を主軸に“未来の対話”ができる場所へと変わりました。

来場者は「想像しやすくなった」

NEC Future Creation Hub KANSAI では、オープンしてからこれまで来場者へアンケートをとっており、「NECって今まで何しているか分からなかったけれど、何ができる会社なのかよく分かった」「体験者になったことで活用方法がイメージしやすい」という声が、様々な業界の方から多く寄せられたそうです。

「NECといえば、コンピュータや顔認証といったICT機器のイメージが先行していると思うのですが、リニューアルしたことにより、NECが未来の形をどのように実現したいと考えているかが伝わったのではないかと思います。ITは技術を基点として話されがちですが、ユーザー体験で考えると、実は技術云々ではなく、どのような未来が待っているかを感じる・知ることが大切なのではないでしょうか。」
と、NEC Future Creation Hub KANSAI センター長の末吉聖美さんは話されます。

半歩先の未来が見えてくる体感型展示スペース

体感型展示とはどのようなものなのか、実際に見せていただきました。NECの公式Youtubeチャンネルでもイメージ動画がUPされており、合わせてご覧いただくと、よりイメージしやすくなります。

NECはパソコンだけではない

NECはパソコンだけではない

まず始めに現れるパネル。ここにはNECの歴史が詰まっています。
創業者の岩垂邦彦(いわだれくにひこ)氏は、発明王エジソンのもとで働いた数少ない日本人の一人。1899年に日本初の外資系企業代表者として日本電気株式会社(NEC)を創業。大阪支店は北浜からスタートさせています。
「NECと言えばパソコン」といったイメージを多くの人が持つかもしれませんが、120年の歴史を辿ることで、それだけではないNECの奥深さが見えてきます。

顔認証技術は世界1位

顔認証技術は世界1位

顔認証技術のルーツは今からちょうど50年前の大阪万博。NECが関わったパビリオンでは、カメラで表情を捉え、顔の特徴から性格を診断するというアトラクションを披露したそうです。
そして今から30年前には本格的な研究をスタートさせ、2019年10月にはアメリカ合衆国の国立機関『NIST』が発表した最新の顔認証技術のベンチマークテストにおいて、1位を獲得されたそうです。1位を獲るのはなんとこれで5回目。
実際に顔を登録してみると、どの角度からも瞬時に顔を認識されます。サングラスやマスクをしても認識されるレベルまで技術が進んでいるそうで、精度の高さを感じます。

ストーリーに合わせ未来を体感できる

ストーリーに合わせ未来を体感できる

ストーリーと技術が馴染みやすく伝わるように気をつけたと言われる体験型展示スペース。ストーリーは、2025年の大阪・関西万博を終えた頃を想定しています。
こちらの内容は、東京本社ビルのNEC Future Creation Hub とは違ったストーリー展開とのことで、関西オリジナル。関西の方はより身近に感じられるものとなっています。

フルスクリーンのシアター

フルスクリーンのシアター

ストーリーのはじまりが、足元から天井まである巨大なスクリーンで映し出されます。主人公は海外から関西へ訪れた男性。
バーチャルのボタンに触れるとムービーが始まります。

「顔パス」によるゲート入場

「顔パス」によるゲート入場

ストーリー上では、ある日のサッカー観戦。
顔認証により、予約しているスタジアムの座席が表示されます。もちろんゲートも顔認証でパス。

ターゲットを見分け、最適化されるツール

ターゲットを見分け、最適化されるツール

スタジアムでの観戦を終え、関西の街歩きシーンへと場面は進みます。
そこでは様々な認識技術を活かした場面に出会うことができ、すぐにでもビジネスへ応用できそうな技術が多く展示されています。

例えば、年代、性別に合わせ最適化された広告を配信できるサイネージや、スマートフォンをかざすと瞬時に多言語表示へと切り替えるなど、対象物を見分ける技術を体感できます。
個々に向けたよりきめ細やかなサービスが増えそうです。

さらに自分ごととして捉えられる健康へのアプローチ

より自分ごととして捉えられる健康へのアプローチ

3つ目のシーンでは、日々の暮らしにフィーチャー。健康的な暮らしの実現のために使える技術を紹介しています。
健康診断では、単に「○○に気をつけましょう」というアドバイスではなく、習慣を変えない場合の将来予測のデータを数値やグラフによって表示。これを目にすると思わず「このままではいけない」と感じることでしょう。

他にも、一人暮らしの高齢者見守りサービスの例も。ロボットを通じて遠方で暮らす家族は無事を確認することができます。

都市全体で活用された場合の体験

都市全体で活用された場合の体験

最後のシーンは、街のインフラ、街の安全を守る活用方法を紹介。
街路灯に通信機能などを追加した「スマート街路灯」。今後主流となる5Gも活用しながら、IoTネットワークで都市全体の防犯や災害等から暮らしの安全を守る例を見ることができます。
映像分析技術も掛け合わせることで、群衆行動の解析や異常行動の検知にも生かすことができるとのこと。

未来を体感し、生まれた発想を具体的にする

未来を体感し、生まれた発想を具体的にする

展示物を観ている中、「あ、この技術を自社商品に組み合わせたら応用できそうだ」というようなインスピレーションが次々と沸き起こる感覚がありました。
展示を回り終えたら、その感覚を持ったままコラボレーションルームへ。新たな発想を対話へと反映させることでより一層イノベーティブな会議が生まれそうです。まさに、「鉄は熱いうちに打て」ですね。

双方を越えて、多方向で共創する

双方を越えて、多方向で共創する

共創をテーマに生まれ変わったNECの展示スペース。次なる挑戦を末吉さんに伺います。
「このスペースがオープンして後、以前よりも活発な対話が生まれています。次のフェーズは、対話を経ての具現化です。例えば、展示を観る中で顔認証の技術を活かす発想が生まれたら、それを来場者の方の自社製品に組み合わせて製品開発まで繋げるなど、そんな事例も増やしていきたいですし、“NECとお客さま・パートナー”の1対1で生まれる共創だけでなく、複数のお客さまやパートナーと多方向につながることで、より社会的な意義の大きい共創を作り出したいです。」

これからもOBPを拠点に発信。一緒に関西全体を元気にしたい

また、共創空間をさらに盛り上げるための考えを次のようにもお話されます。
「ここには主に法人の方が来られていますが、NECに少しでも興味を持ってくださり、何かしらビジネスのヒントを求めて来ていただけるなら個人の方でももちろん歓迎です。
この施設がきっかけでOBPエリアに足を運ぶ方が増えれば、それも嬉しいことです。さらに言えば、OBPや大阪だけではなく、関西全体を元気にできる対話ができればさらに素敵なことだと思います。NEC Future Creation Hub KANSAIが関西を盛り上げる一助になれれば、共創空間としての存在意義も高まると考えています。」

大人こそ遊びが大切

大人こそ遊びが大切

2019年11月に、ツイン21ビルの1階アトリウムで「3×3 japan tour 2019」が開催されたり、9月には一般の方が訪れやすい読売テレビ放送の新社屋がオープンされたりと、ここ1〜2年ほどの間で、OBPエリアには少しずつ“あそび”を感じられる場が増えてきたのではないでしょうか?
NEC Future Creation Hub KANSAIもその一つのように感じられる場所でした。
フロアには、展示を観た来場者がその時に感じたことを書いたメッセージも飾られています。大人がワクワクしている、そのままの気持ちがここから伝わってきます。
多くの知的好奇心を持った大人が集まる場所として、今後もOBPからワクワクを発信してほしいと思います。

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